鎖.08


ビルに入ると、いつものように明るい声が迎えた。

「よう、静嵐に霄瓊ちゃん!お疲れさん。それから黒曜さんも」

湧碕は、やけに嬉しそうに静嵐を肘で突きながら続けた。

「黒曜さんって、お前の友達なんだろ?お前、俺の他にも友達いたんだな!何かもう、俺感動しちゃってさ」

言いながら、本当に感極まったように浮かんだ涙を手の甲で拭う。

「おっと、女の子の前で泣くなんて駄目だな。俺も」

「湧碕さん……」

一緒に感動している霄瓊を見やって、静嵐は苛立たしげに言う。

「何を影響されている」

「静嵐にも、こんなに心配してくれるお友達がいるんだなって思ったら何だか胸が熱くなって……。良かったですね、静嵐」

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