鎖.10


黒曜は立ち去る二人に手を振ってから、浮かべていた笑みを苦笑に変えた。

「そう怖い顔をしなくても良いでしょう」

「何のつもりだ」

「前に言った通りですよ。様子を見に来たんです」

「仕事は果たしている」

その言葉に、黒曜がつい先程まで霄瓊の立っていた場所を見る。

「それは否定しませんよ。上手くやっているようですね」

腕組みをして、冷徹な表情で続ける。

「彼女は道具としては非常に都合が良い。それは確かです。我々としては、人間が滅んでしまっては困りますからね。その点では霄瓊さんの特質は、とても利用し易い」

人間がやがて行き着く終末を知り、それを変える為に自ら動く姿勢は。

その限り無い優しさは、非常に都合が良い。

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