鎖.10
黒曜は立ち去る二人に手を振ってから、浮かべていた笑みを苦笑に変えた。
「そう怖い顔をしなくても良いでしょう」
「何のつもりだ」
「前に言った通りですよ。様子を見に来たんです」
「仕事は果たしている」
その言葉に、黒曜がつい先程まで霄瓊の立っていた場所を見る。
「それは否定しませんよ。上手くやっているようですね」
腕組みをして、冷徹な表情で続ける。
「彼女は道具としては非常に都合が良い。それは確かです。我々としては、人間が滅んでしまっては困りますからね。その点では霄瓊さんの特質は、とても利用し易い」
人間がやがて行き着く終末を知り、それを変える為に自ら動く姿勢は。
その限り無い優しさは、非常に都合が良い。
- 174 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet