鎖.16


人気の無い階段の途中で、自然に足を止める。

黒曜が霄瓊の肩から手を離し、少ししてから口を開く。

「まさか貴女のような方が我々と契約を結ぶなんて……。正直、まだ信じられませんよ」

その言葉に、霄瓊はただ静かに微笑んだ。

「やはり気付いていましたか。私の正体」

「初めて見た時には目を疑いましたがね。全く、前代未聞ですよ」

呆れたように息をついて、改めて少女に目を向ける。

「静嵐が本能で貴女を拒絶するのも無理はありません。貴女は我々とよく似て、しかし決して相容れる事の無い存在ですから」

一度、限り無い静謐に触れて来た存在。

死を知った後、生前の強い願いにより混沌の狭間に消えなかった存在。

片方は闇に願いを懸け、他方は光に懸けた。

それ故に、よく似てはいても決して相容れない存在となる。

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