聖女の祈り.04
これまでに現れた綻びの位置を地図で確かめ、以前訪れたビルの前で足を止める。
手にしているのはこの街の詳細な地図だ。
霄瓊の丁寧な字で、今までに綴じて来た綻びの場所が日付と共に記してある。
確実に増えている綻びは、この場所を中心にして現れているようだ。
このビル、未来で人々を守る地を。
守っているのは、正確には水底で眠る少女だけれど。
そう考えて、静嵐は地図を畳みながら顔をしかめた。
気になる事が、無い訳ではない。
霄瓊がただの、普通の少女ならばそんな力があるなどおかしい。
今まで興味を持たず、何も考えないようにして来た。
しかし、もうそうとも言っていられない。
そろそろ、あの娘の秘密を探るべき時だ。
何らかの意図を持って自分を呼び出したにしろ、利用する事に変わりは無い。
その為には霄瓊の中の力の出所を、隠している秘密を探らなければ。
分かっているのに気が進まないのは、きっと。
それを知ってしまえばきっと、今のような関係ではいられなくなるという事を。
深く踏み込まず、踏み込まれない関係が壊れるという事を。
そこに少なからず痛みがある事を。
自分の知らない心の何処かで、感じているからだろうか。
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