聖女の祈り.13


そう言い切ってから、我ながら何を言っているのかと呆れた。

これでは怪しい奴と思った少女が、いつまた逃げ出してもおかしくない。

普段あまり話をしていないと、こういう時にましな言葉が出て来ないのだ。

飛び出す言葉が、恥ずかしい程本音になってしまう。

「私に、出会う為に……」

しかし予想に反し、少女は立ち尽くしたまま驚いたように繰り返した。

「有り難うございます」

次の瞬間、ふっと湧き出すように浮かんだ笑顔に思わず息を飲む。

無口な自分の発する言葉で誰かがこんな風に笑ってくれるなんて、今まで想像もしなかった。

そして、その微笑がとても眩しく暖かくて。

ずっと見ていたいと思う、そんな感情も。

- 196 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet