秘密.03


『もう一度、会いたい奴がいる』

『もう二度と戻らない人を、私はどうしても忘れられなくて』

これ程に純粋な想いが、罪なのか。

何処までも一途に互いの幸福を願う、それが罪なのか。

その願いと引き換えに、全てを失う程の。

自分の利益の事だけを考えて汚い願望を口にする人間を、他にもっと知っているのに。

何故ただもう一度会いたいという願いを抱いた彼等が、何より重い罰を受けなくてはならない。

行き場の無い怒りが、黒曜に今の行動を取らせた。

捧げられたものを戻すという行為は、決してしてはならない事だ。

交わした契約に反する者は、そこで生まれた歪みを正す為に必ず報いを身に受ける。

処分は免れないだろう。

しかし、そんな事はどうでも良かった。

それはきっと、何処までも互いの為にある彼等が羨ましい程に真っ直ぐだからだ。

自分もこうなれたら、或いは。

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