秘密.04


そこまで考えて、黒曜は自嘲の笑みを浮かべた。

過ぎ去った事を今更思い返して何になる。

そう、どれだけ悔やもうが泣いて叫ぼうが。

流れた時間は戻らない。

この二人も、選択の結果として自分の全てを捨てた。

例えそれが戻ったとしても、昔に戻れる訳では無い。

幸福だった頃の記憶もあるけれど、それだけではなく。

辛くて目を背けたくなるような記憶もあるから。

それでも、彼等ならばきっと。

全てを抱き締めて、幸せを掴めるのではないか。

もしもそれが叶ったなら、決して相容れる事の無い存在同士が惹かれ合う時の道標となるだろう。

運命の相手ならば、恐らく何度離れても巡り会い惹かれるから。

その一途さで、奇跡さえも起こしてほしい。

苦しみも辛さも全て乗り越えた先の幸せを、その手に。





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