秘密.05


誰にも秘密の二人の時間は、静かに穏やかに積み重ねられた。

霄瓊は料理の腕を確実に上げ、やがていつも口に合う好みの食事を作ってくれるようになった。

しかし彼女自身は味見の時に少し口を付けるだけで、一緒に食べようとはしなかった。

「私は、駄目なんです。病院で出して頂く食事以外は食べてはいけないんですよ」

当然の疑問を感じ取ったのか、何でも無い事のように笑ってそう言った。

話してくれるのを待とうとは決めていたけれど、それでも変だとは思った。

どうして霄瓊は此処にいるのか。

こんな環境でずっと入院しているのなら、それだけの資金が必要だろうに。

誰一人見舞いに来る事も無く、霄瓊もそれを分かり切った事と言うように受け入れている。

それに、気になる事実もあった。

- 209 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet