秘密.14


覚悟して読み始めたが、進む内に手が震え出した。

どうにもならない怒りが、体中を支配する。

こんな事が許されていたのか。

ファイルに記されていたのは、ある実験のデータだった。

霄瓊は、実験体だったのだ。

幼い頃から家族がおらず施設で育った彼女は、8歳の時にある人物に引き取られた。

その人物は政治にも影響がある程の金持ちで、妻と一人娘がいた。

しかしその娘が病弱で、ずっと入退院を繰り返していた。

心配でならなかった父親は、金と権力を駆使して娘とよく似た少女を探した。

年齢が近く血液型などが一致し、万が一の時に娘に輸血や移植が出来る条件の少女を探したのだ。

そして条件に偶然当てはまった、当てはまってしまったのが霄瓊だった。

だから霄瓊は引き取られてすぐにこの病院に入れられ、存在を隠された。

それからはずっと、薬の副作用の出方の実験などの臨床試験を受けていた。

最近になって引き取り手の娘の容態が悪化した為、更に無茶な試験が重ねられた。

そしてつい先日、とうとう体が保たなくなって死んだのだ。

「……私は、彼女が今まで生きていたのは気力の問題だと思っている。もっと早くこうなってしまってもおかしくなかった」

「どうして!どうして、知っていたなら止めなかった!」

ファイルを床に叩き付けて怒鳴る。

やり場の無い怒りが湧き出しているのに、気が付くと目からは涙が溢れていた。

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