秘密.19
「君には願いがあるでしょう。全てを引き換えにしてもそれを願うなら、叶えられますよ」
巻き起こった風の中、翼を持つ悪魔は告げた。
「……もう一度、会いたい奴がいる。生き返ってほしい奴が」
迷いは無かった。
善か悪かも、どうでも良かった。
ただ、会いたくて会いたくて。
「君が会いたいのは死者ですね。そうなると、君の全てを引き換えにしても足りないかもしれません。それは世界の理に反する行為ですから」
「じゃあどうすれば良い」
「そうですね。君には一度死んで頂き、我々と同じ悪魔として生まれ変わってもらいましょう。その際魂を、記憶や心を捧げてもらいますから、会いたい存在の事も忘れてしまいますが」
事務的な口調で語られる内容を噛み締めて確認する。
「それで、あいつは生き返るんだな」
- 223 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet