秘密.23


ああ、やっと終わったのか。

もう、あと自分がどれだけ生きるのか考えながら眠らなくても良くて。

どうして生まれて来たのか考えながら日々を数えなくても良いのか。

その安息には、とてもほっとしたけれど。

抱き締めてくれる腕で、思い出した事がある。

今と同じように、幼子のように泣く自分を黙って抱き締めてくれた人。

こんな自分に、毎日のように会いに来てくれた無口で優しい人。

別れも告げず、感謝も伝えないままになってしまって。

あの人は、悲しむだろうか。

自分の事なんて忘れて、これから出会う誰かと笑い合ってくれるなら良い。

胸が痛まないと言ったら、嘘だけれど。

『俺はお前に出会う為に此処に来た』

ずっと、生まれ落ちた理由を探し続けて来た。

それはきっと貴方の中にあったんだと。

貴方と出会う為に生まれたんだと、今だから信じてみても良いだろうか。

もう会えなくなってしまった、今だから。

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