報いの雨.05


「このビルは相変わらず何かに守られてるみたいに変化は無い。けど最近は此処のすぐ近くにまで、あれが現れるようになってさ。ま、獲物を探しに行く手間が省けるのは助かるけど」

そう言ってから、湧碕は黙って話を聞く二人に向かって片目を瞑った。

「静嵐達が来てくれるともっと助かるぜ。短時間でびっくりする位獲物を仕留めてくれるからさ。向こう十日は困らないよ」

「……でも、足りている物なんてありませんよね。何も」

霄瓊の言葉に、湧碕が息をついて腰に手を当てた。

「まあね。此処もいつまで保つか分かんないし。でも俺達は恵まれてるんだよな、生きてるだけ」

一瞬だけ重い沈黙が落ちたが、湧碕はすぐに明るい調子で続ける。

「とにかく、二人共今夜は泊まってくだろ?いつもの部屋、開いてるぜ」

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