秘密.26


「……静嵐」

「霄瓊?どうしたの」

すぐ側にいた美鈴が心配そうに訊いて来る。

「私、呼ばれているんです。すぐに行かないと」

そう言っている間にも、焦燥は募る。

「呼ばれて?霄瓊、待って!」

美鈴は腕を掴み、人々の世界が映る天界の泉のほとりへと導いた。

「まさかとは思うけれど、貴女は確かに再び混沌へと戻ろうとしている。これ程の力を持つのは、一つしか考えられない」

「美鈴さん?」

ただならぬ様子に不安を覚えながら名を呼ぶと、美しい女性は緊迫した顔のまま促す。

「此処から覗いてみて。貴女の大切な人を」

言われた通りに泉の水を覗き込み、映った光景に息を飲んだ。

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