決意.03
「霄瓊」
その名を呼んで、力を込めて胸に抱き締める。
細い体が驚いたように強張り、柔らかな髪が頬に触れる。
今までずっと側にいて、知らないまま。
どれ位傷付けて来ただろう。
『静嵐、どうかお願いだから、貴方は生きて』
あんなに泣いて願った想いを踏みにじって。
闇に堕ちて、こんな姿になって。
許してくれなんて言えない。
何て謝れば良いのか分からない。
それなのに、この温もりを手放したくないと思う自分の浅ましさに呆れる。
散々傷付けたくせに、愛しいなんて恋しいなんて。
自分勝手にも程がある。
許されないと分かっているのに、ずっとこうしていたい。
かつて守れなかった温もりを、ずっと抱き締めていたい。
それが、どれだけ罪深くとも。
- 240 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet