決意.04


「泣かないで下さい、静嵐」

霄瓊がそう言いながら、背中に腕を回してくれる。

少しも責めていない口調で、まるで全てを許してくれるような優しい声で言う。

「私は貴方にまた会えて、とても幸せです。貴方が願ってくれたから、私は此処にいる。だから、泣かないで」

そう語る霄瓊も泣いていると、肌に触れた涙が教えた。

それでも、自分が経験した苦しみも辛さも何も無かったかのように、自分以外の誰かの為に言葉を紡ぐ。

「貴方を悲しませて、傷付けてしまったのは私です。本当は此処にいるべきではないのも分かっています。でも私は……静嵐にまた会えて、側にいられて嬉しいです」

この娘は、いつもそうだった。

自分がどんな状況にいても、他人の事にばかり気を遣って。

無理をしてでも笑うから。

愛しくて、愛しくて。

許されない罪を犯しても、今だけは。

せめて今だけは、いつも世界でたった一人の大切な存在を体中で感じていたい。

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