決意.05


「ふんふんふーん、らららら」

不意に謎の鼻歌が聞こえて来て、はっとする。

目を向けると、黒曜が居心地悪そうにしながら言った。

「邪魔をしてすみません。僕がいる事を完全に忘れているようでしたので」

「て、店長さんっ」

霄瓊は慌てふためいて、瞬時に静嵐の腕の中から出て距離を取る。

「…………」

「そう睨まないで下さい。雰囲気に耐え切れなかったんです」

黒曜が弁解するように言いながら、立ち上がって店の電気を点けた。

それから、床に座り込んだままの二人に視線を戻して微笑む。

「さて、僕からのささやかなプレゼントは如何でしたか?」

「……何故こんな事をした」

尋ねられた黒曜の微笑が、僅かに陰る。

「僕も悪魔になって長いですが、たまには恋のキューピッドになってみるのも良いかと思ったんです」

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