決意.06
目を向けた窓の外に広がるのは、深い夜の闇。
「あ、あの、大丈夫なんですか?」
霄瓊が心配そうに口を開く。
「そんな事をしたら、貴方が無事では済まないのではありませんか?」
「そうですねえ。怒られて、始末書を書かされて、半年位は減給になるかと思いますが。まあ、何とかなるでしょう」
本当に何でも無い事のようにさらりと答えてから、視界に二人の姿を入れて真剣な顔をする。
「僕よりも、大変なのは君達の方ですよ。戻ったものもあるでしょうが、二度と戻らないものもある」
記憶が戻っても、以前のままの関係にはなれない。
既に選択の時は去り、その結果として二人は人ではなくなったのだから。
近くにいても、決して埋まらない溝に隔てられたのも同じだ。
「それがどうした」
不意に静嵐が力強い声で言った。
「俺はあの時、自分の意志でこうなる事を選んだ。間違っていたかもしれない。正しい道は他にあったかもしれない。それでも俺は、選んだ事を後悔などしていない」
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