決意.16


人でなくなったから得られた力とはいえ、こうまで純粋に褒められると悪い気はしない。

しかし今は、のんびりと話している場合ではない。

霄瓊も乱れて顔に掛かった髪を払いながら、すぐに眼差しを険しくする。

その視線の先には、未来で人々の暮らしを脅かす巨大な生物がいた。

綻びから流れ込む異質な空気も感じる。

コートを脱いだ霄瓊が祈るように手を組み、同時に静嵐の中で力が解放される。

戦闘に慣れた体は放たれた力を受けて軽々と動き、一撃で建物を倒した。

空気に溶けるように形を無くした生き物が現れた原因である、綻びの方へと歩み寄る。

それを綴じると解かれていた力が収まって行き、霄瓊が微かに息をついた。

「有り難うございます」

いつものように頭を下げた霄瓊を見詰めて口を開く。

「こっちこそ、有り難う。いつも無理をさせてすまないな」

「えっ?」

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