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二人に付いてビルに向かって歩いている黒曜が、しみじみと続ける。

「君がそんなに穏やかな顔をしているのを見るのは始めてですよ。変われば変わるものですねえ」

「…………」

「そう睨まないで下さい、静嵐。僕としても二人の時間を邪魔するのは心苦しかったのですが、僕にも未来がどうなるのかを見届ける務めがありますからね」

「店長さんが静嵐に未来を変えるお仕事を託したのは、私達の為を思ってですよね」

霄瓊は黒曜に目を向け、微笑んで言う。

「静嵐が嫌でも人と深く関わるようにして、やがて何処かで私と出会う機会を持てるようにしてくれたんでしょう?」

「……参りましたね。貴女にはお見通しですか」

黒曜が困ったように苦笑して応じる。

「まさか天使のまま降りて来て契約を結ぶなんて予想していませんでしたけどね。知った時にはさすがの僕もひっくり返るところでした」

「その後私を雇って下さって、いつも気に掛けて下さって、本当に感謝しています」

「お礼を言われる事じゃありません。可愛いお嬢さんの事を気にするのは当然でしょう?」

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