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「そうだ。この水底でずっと眠り続けて、人が死に絶えないように守り続けて来たのはあいつだ」

「成程、そうでしたか。このビルだけが無事なのは妙だと思っていましたが、彼女が守っていたんですね」

黒曜は水底の少女を案ずるような瞳をして言う。

「確かに此処からは細く頼りなく放たれているけれど、大きく強い力が眠っていると分かります。しかし僕の知る霄瓊さんからは、そんな力は感じられません」

「ああ。あいつも言っていた。今は天使としての特別な力は持っていない。死なないし、歳を取らないだけだと」

「そうですか、妙ですね。それなら考えられるのは、あの霄瓊さんに今後何かが起こるという事ですが」

一体何が起こるのか。

彼女の身に、そして。

「此処で眠っている霄瓊の腕には、まだ刻印があった。つまり、その何かが起こる時には俺も共にいる筈だ」

契約をしている状態ならば、例え離れていてもすぐに駆け付けられる。

ならばその時、彼女と契約していた自分はどうしたのか。

みすみす眠りにつく事を許したのか。

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