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ビルの中の居住区で怪我をした人の手当てをしていた霄瓊は、誰かに強く呼ばれたような気がして顔を上げた。

その呼び掛けは、まるで自分の内から発せられているようで。

それまで別々に響いていた鼓動が一つに重なるようで。

自分が自分だけのものではなくなるような感覚に陥る。

(何、これ……)

思わず胸を押さえてしゃがみ込んだ時、誰かの大きな手が肩に乗った。

「霄瓊?」

気が付くと、静嵐が心配そうな瞳で覗き込んでいた。

「どうした、具合でも悪いのか」

短い言葉から、心から案じていてくれる事が伝わる。

「あ、はい。すみません」

ほっとして頷くと、横から湧碕も顔を出した。

「本当か?無理するなよ、霄瓊ちゃん。俺達が声を掛けた時には、全く反応無かったんだぜ」

珍しく真面目な声で湧碕が言い、手当てをしていた相手も同意する。

「びっくりしたよ。急に動かなくなるから」

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