崩壊.03


「こちらでも、状況は悪くなっていますね」

そう呟いてから、二人に視線を戻して続ける。

「気付いていますか。綻び……時の裂け目が生じるのはあのビルが中心だと」

「ああ」

それは綻びが出来た場所に印を付けた地図を見れば、すぐに分かる事だ。

「何か原因があるんでしょうか?」

ビルの方を見上げて霄瓊が言うと、黒曜はにこやかに提案した。

「とにかく、行ってみましょう」

「え?」

黒曜が何も説明せずに、向こうに見えるビルの方へ歩き出す。

二人は顔を見合わせたが、取り敢えず黙ってその後に続いた。

やがてビルの前に着き、警備員の姿が無いのに気付く。

雰囲気もひっそりとしていて、人がいる気配が感じられない。

不審に思った静嵐と霄瓊が再び顔を見合わせているのを余所に、黒曜は迷わずビルの正面に近付く。

そしてポケットから取り出した鍵で入り口を開けて、驚く二人を呼ぶ。

「どうしました?中に入りましょう」

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