崩壊.06
「貴女はやはり天使なのですね。その綺麗な瞳で何を見ているのか、とても興味がありますよ」
霄瓊を見詰めて黒曜が言った途端、静嵐の目に凄みが増した。
黒曜は苦笑を浮かべて付け加える。
「他意はありませんよ。君の天使に手を出したりしませんから、ご安心を」
「なら余計な事を言うな」
「余計ではないでしょう。僕は思った事を口にしただけです。大体、君は無口過ぎるんですよ」
上司の顔になった黒曜が、諭す口調で続ける。
「口にしなくても伝わるのも素敵ですが、言わなければ分からない気持ちもありますよ。ね、霄瓊さん。静嵐にもっと言ってほしい事、ありますよね?」
「えっ?」
突然話を振られた霄瓊は、慌てふためいて二人の顔を見比べた。
「霄瓊さん、良い機会です。遠慮無くどうぞ」
「あ、あの……急にそんな事を言われましても。ええと……」
困ったように静嵐を見上げ、やがて小さな声で呟く。
「少しだけ、あるかもしれません」
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