崩壊.09


地下駐車場にも、やはり人の気配は無かった。

以前には停まっていた車も、今は一台も無い。

「……此処も今のところは異変は無いようですね」

「ああ」

黒曜の言葉に静嵐が頷いた時、しばらくの間黙っていた霄瓊が瞳を鋭くして口を開く。

「いいえ、来ます。お二人共、気を付けて下さい!」

凛と響いた意味を聞き返す間も無く、凄まじい振動が起こった。

それがただの地震でない事は、すぐに分かった。

時の裂け目である綻びが、幾つも周囲に現れる。

「これは……」

咄嗟に霄瓊を抱き締めて庇った静嵐が、はっとして呟いた。

「崩壊の時が来たんです。この場所を中心に現代と未来が繋がり、荒廃に向かう」

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