崩壊.09
地下駐車場にも、やはり人の気配は無かった。
以前には停まっていた車も、今は一台も無い。
「……此処も今のところは異変は無いようですね」
「ああ」
黒曜の言葉に静嵐が頷いた時、しばらくの間黙っていた霄瓊が瞳を鋭くして口を開く。
「いいえ、来ます。お二人共、気を付けて下さい!」
凛と響いた意味を聞き返す間も無く、凄まじい振動が起こった。
それがただの地震でない事は、すぐに分かった。
時の裂け目である綻びが、幾つも周囲に現れる。
「これは……」
咄嗟に霄瓊を抱き締めて庇った静嵐が、はっとして呟いた。
「崩壊の時が来たんです。この場所を中心に現代と未来が繋がり、荒廃に向かう」
- 284 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet