崩壊.10


「成程。いよいよですか」

黒曜は口元を歪め、瞬時に背中に翼の生えた悪魔の姿へと変化した。

そして次々に現れる綻びを綴じに掛かる。

「霄瓊?」

普段ならすぐに対応して力を解放する霄瓊が動かないのを訝しんで、静嵐は腕の中の少女を見た。

荒れ狂う状況の中、建物の瓦礫が落ち始める中、その表情はひたすら静かで。

何故か、水底で眠る少女の姿を思い出した。

此処から、あそこへ通じるのか。

守ると決めた自分の、選択の時が訪れようとしているのか。

「霄瓊さんの様子がおかしい!静嵐、彼女を放さないで下さい!」

「分かっている!」

必死に戦いながら叫んだ黒曜に向かって怒鳴り返した時、じっとして動かなかった霄瓊が何かに呼ばれるように顔を上げた。

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