崩壊.11


それと同時に、崩壊の空間に一筋の光が射した。

柔らかな白い光の中から降りて来たのは、純白の翼が背に生えた女性だった。

空中に留まったまま、憂いを込めた眼差しで辺りを見回す。

一目で天使だと分かるその姿を見上げた黒曜は、思わず体を止めて呆然と呟いた。

「美鈴さん……」

美鈴と呼ばれた女性は、瞳を黒曜へと向けた。

それから静嵐と霄瓊の方に視線を巡らせ、深く響く声を発する。

「求めるのね、霄瓊。この危機に、護る力を。かつて貴女が失った、天上の力を」

「……はい」

霄瓊が頷くと同時に、その体は静嵐の腕から出てふわりと浮き上がった。

「貴女が望むなら、還せるわ。本当の姿に、貴女を。人の滅びを止めたいのは天界の願いと同じ。だから天に召された後に再び地に降りた貴女に、護る為の力を与える事が許された」

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