目覚め.08


湧碕が見詰める先で、霄瓊の背に生えた白い翼はゆっくりと羽ばたきながら輝きを放っている。

それは絶望的な状況を忘れて見とれてしまう程に美しかった。

本当に、天使だったのか。

それは納得出来る事実でもあるけれど、同時に悲しくもある。

だからこそ彼女は、ずっと此処で誰にも知られずに存在していたのだから。

その孤独は、計り知れるものではない。

「静嵐は、何やってんだよ」

思わず、そんな言葉が口からこぼれ出た。

この前此処にいた静嵐と霄瓊の間に流れる、暖かな空気を思い出す。

最初の頃は随分ぎこちなかった二人が、手を繋いでいた時には心底嬉しかった。

将来の希望なんて見えなくても、彼等には幸せになってほしいと願った。

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