目覚め.10


「静嵐……」

それは間違い無く湧碕の知る静嵐だった。

ただ一つ違うのは、その背に黒色の翼が生えているという事だけだ。

一体何が起きているのか分からないまま、静嵐が真っ直ぐに空中に浮かぶ霄瓊の側に行くのを見守る。

霄瓊はそれを待っていたかのように目を開け、そっと手を差し伸べた。

固く手を結び合った二人は、そのまま湧碕に視線を向けた。

語りたい事を沢山込めたような、憂いを含んだ眼差し。

その全てを理解は出来ないけれど、二人が何を一番伝えたいのかは分かったから。

湧碕は笑って力強く頷いた。

「分かってるって!俺はまだ諦めたりしてないぜ」

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