目覚め.18


「……私も貴女程強くなれたら、違う道もあったのかしら」

そう語った女性がいる。

天界で、まだ叶わない願いを信じ続ける一人の天使。

「僕も悪魔になって長いですが、たまには恋のキューピッドになってみるのも良いかと思ったんです」

寂しそうな微笑を浮かべてそう語った男性もいた。

何故か力になってくれる、一人の悪魔。

「君と僕がこうして出会うのも、本来ならば有り得ない事だ」

二人の間にかつて何があったのか、詳しくは知らない。

それでも、お互いに想い合っているのは分かるから。

悪魔と天使になって、きっと長い間会う事すら叶わなかった二人に幸せになってほしい。

人を想うのに、理屈なんて通用しない。

禁じられた恋だとしても躊躇わない自分達が、導きを与えてくれた存在の希望となれるのなら。

いつか、ただ当たり前に寄り添う幸福への標となれるのなら。

誰かを好きになるのに、天使も悪魔も無いのだと。

頑なに貫くなら、想いは叶うと示せたら良い。

その為にも、諦められない。

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