寄り添う翼.04
考えていると店のドアが開き、中から一人の女性が姿を見せた。
「あら、おはよう。静嵐」
穏やかに微笑んだ女性は、気遣うような顔で続ける。
「これからお仕事?頑張ってね」
「有り難う、美鈴」
短く礼を言うと、黒曜が興味深そうな視線を静嵐に向ける。
「色々と変わった事はありますが、一番の変化は君の性格ですね。あんなに尖っていた子がこんなにいい子になって……。お父さんは嬉しいですよ」
「誰がお父さんだ」
「似たようなものでしょう?何ならそう呼んでくれても、僕は全然構いませんよ」
「誰が呼ぶか」
二人の会話を苦笑しながら聞いていた美鈴が、言葉を選ぶようにして口を開く。
「ただ、幸せになってもらいたいのよ。私達がこうしていられるのは貴方の……貴方達のおかげだから」
- 320 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet