寄り添う翼.05


「……今日こそは、会えるといいですね」

真剣な瞳に頷きだけを返し、静嵐は歩き出した。

その背中を見送って、黒曜が低く呟く。

「彼女がまだ現れないなんて、意外ですね」

「そうね。でもきっと、必ず巡り会える筈よ」

あの時に解放された力は、世界を根本から変えた。

悪魔と天使の隔たりの無い、ただ当たり前のように側にいられる日常へ続く道を拓いたのだ。

荒廃と滅亡に繋がる無数の綻びは綴じ合わされ、未来は変わった。

それにより、あの場に居合わせた者もそれ以外の人々も、人生が大きく変わった。

新しい未来でそれぞれの道を歩んで、引き合って出会った。

変わる前の事を覚えているのは、ほんの僅かの者だけだ。

それでも、人は今も大切な人と出会い寄り添い生きているから。

心の何処かで呼び合い、繋がっているから。

きっと必ず巡り会える筈。

静嵐がいつも捜している、ただ一人の大切な存在と。





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