寄り添う翼.07


駅から電車に乗って少し行った先に、今の職場がある。

雑踏を抜けた頃に見えて来る、白い建物。

時の向こうで経て来た、彼女との出会いと別れの場所だ。

それは思い出す度に、辛く苦しく胸を締め付ける記憶ではあるけれど。

同時に自分の全てを変えた、愛しい想い出でもあるから。

新しい人生では、その記憶が根付いた此処で働く事にしたのだ。

医者として務めながら、人々の力になりたい。

生きる事の意味を無くして、この場所に辿り着いた人の。

かつての自分が、彼女に支えられたように。

大した事は言えないけれど、それでもただ真剣に相手の話を聞いていると、楽になれたと笑ってもらえたりもした。

生きていれば、辛く哀しい事もあるけれど。

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