寄り添う翼.08


それでも生きている限り、幸せも歓びも訪れる筈だから。

上手くは言えないけれど、伝わってくれればいい。

自分が此処にこうしている事が、その証明だから。

エレベーターに乗り込んで、ふと手を止めて微笑む。

階段でしか行けなかった、隠された九階は今は無い。

それは彼女が、あの白い閉ざされた空間に縛られず生きているという事だ。

会えないのは寂しいけれど、その事実はとても嬉しい。

新しく廻り出した世界で、彼女は今どんな景色を瞳に映しているのだろう。

それが優しいものなら良いと、心から願う。

いつか巡り会えた時、笑っていてほしい。

あの微笑みを夢に見ながら、毎日を生きて行こう。

全ての想い出を抱いて。





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