寄り添う翼.11
「お久し振りです、静嵐」
微笑んだ彼女の声で名を呼ばれる歓びも。
「あっ、ええと。初めまして……と言った方が良いのでしょうか」
思案する時の真剣な顔も仕草も。
「あの、静嵐。こんばんは。私は」
妙に律儀なところも、全てがそのままに懐かしくて。
「霄瓊」
名前を呼びながら抱き寄せると、細い体がすっぽりと腕に包まれる。
感じる温もりも、柔らかな髪の感触も。
全てが懐かしく愛しい。
「随分待たせてしまいましたか?」
「いや……。いつか会えると分かっていたから」
「私もです、静嵐」
強く強く想い続けていれば、引き合って巡り会える。
いつかそれぞれが歩む道が交わる時が来る。
そう信じて疑わなかったけれど。
こうして実際に触れ合える歓びは、やはり他の何にも代え難い。
二人の新しい時が、再び出会いから始まる。
今度こそ、共にいられる未来を夢見て。
- 327 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet