寄り添う翼.23


「何がだ?前は一緒に暮らしていただろう」

「……それもそうですね」

今思い当たった様子で納得した霄瓊の顔を、静嵐は腰を屈めて覗き込んだ。

「何をそんなに慌てていたんだ?」

「な、何でもありません!」

瞬時に目を逸らした姿を見て、思わず笑みを洩らす。

「何を期待していたのか、気になるな」

「からかわないで下さい!」

先程よりも真っ赤になりながら、霄瓊は携帯のボタンを押して耳に当てる。

少ししてから繋がったらしい電話の向こうに話し出す。

「お母さん?あの、私……今日はちょっと帰れないの。……うん、泊まらせてもらうから。とっても大好きで、大切な人に。……分かってる。お父さんにもちゃんと話すよ。いつか、会ってもらいたいし」

「…………」

静嵐は暖かな気持ちに満たされて目を閉じた。

- 339 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet