寄り添う翼.23
「何がだ?前は一緒に暮らしていただろう」
「……それもそうですね」
今思い当たった様子で納得した霄瓊の顔を、静嵐は腰を屈めて覗き込んだ。
「何をそんなに慌てていたんだ?」
「な、何でもありません!」
瞬時に目を逸らした姿を見て、思わず笑みを洩らす。
「何を期待していたのか、気になるな」
「からかわないで下さい!」
先程よりも真っ赤になりながら、霄瓊は携帯のボタンを押して耳に当てる。
少ししてから繋がったらしい電話の向こうに話し出す。
「お母さん?あの、私……今日はちょっと帰れないの。……うん、泊まらせてもらうから。とっても大好きで、大切な人に。……分かってる。お父さんにもちゃんと話すよ。いつか、会ってもらいたいし」
「…………」
静嵐は暖かな気持ちに満たされて目を閉じた。
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