寄り添う翼.24


孤独の世界で、白く狭い世界で、愛を知らず過ごしていた彼女を知っているから。

愛されているのを感じるだけで、こんなにも嬉しい。

だから自分も注いで行きたい。

今まで受けて来たものを、少しずつでも返せるように。

溢れる程に、幸せになってくれるように。

「お待たせしました、静嵐」

気が付くと、電話を終えた霄瓊が微笑んで見上げていた。

「何て言っていた?」

「私の大切な人なら会いたいって言っていました。会ってくれますか?静嵐」

「ああ」

手を取って歩き出しながら、静嵐は微笑み返して言った。

「俺の親にも、今度会ってくれるか」

「あ、はい!勿論です。私、頑張ります!」

「……普通でいい」

こうして交わす言葉の一つ一つ。

ふと降りる沈黙の中で交わす眼差しの一つ一つ。

その全てが尊いと分かっているから。

人は感謝出来るのだろう。

移ろい流れる、何気無い時の全てに。





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