報いの雨.20


歩き出した静嵐に続きながら、霄瓊は独り言のように続ける。

「どちらなんでしょうね。未来から綻びを、時の裂け目を通じて生き物が現れたり影響が出たから、未来にこうなってしまったのか。未来にこうなってしまったから、その影響が現代にまで出てしまっているのか」

世界の狂いは時まで歪ませて裂け目を生み、過去にまで影響を及ぼす。

人が滅びる前に、その狂いを正さなければ。

けれどもそれは、現代か未来かどちらなのか。

それを解く鍵はあのビルにあると、静嵐は考えている。

数々の異変から逃れ、今尚形を保つ建物。

それが何によるものなのか分かれば、或いは。

無言で歩く静嵐を見詰め、霄瓊は小さく息をついた。

目的を達する為に刻まれた印を、与えられた力を、繋がる鼓動を。

時が来るまでに最大限に利用する。

死に物狂いで繋いだ仮初めの絆を、無駄にするつもりなど無い。

だから自分は静嵐の良い道具で在り続けよう。

そして、彼が気付いた時には既に手遅れとなる。

消えない楔を、その胸に打ち込んでみせる。

その為なら、どんな傷も犠牲も厭わない。





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