深海の心.05


「良いですねえ、若者は。こちらまで若い気分になりますよ」

しみじみと語る充分若く見える黒曜に向かって、霄瓊は急いで首を振る。

「違います!そんなじゃありません」

湧碕といい黒曜といい、どうしてそんな勘違いをするのだろう。

あの静嵐とデートなど、想像も出来ない。

「おや、そうですか?しかし今日の貴女は物思いにふけっていたようでしたし、恋する乙女に見えましたよ」

黒曜は探るように霄瓊を見詰めて続ける。

「いえ、今日だけではありませんね。同じ年頃の娘さん達に比べても、貴女はとても大人に思える。まるで、いつも恋しい誰かに想い焦がれているような瞳をする」

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