深海の心.11


高くそびえるオフィスビルの前で立ち止まった静嵐に続いて、霄瓊も足を止める。

「此処は、湧碕さん達の……」

ビルを見上げながら、霄瓊が呟いた。

時が巡れば、いずれこの辺りは瓦礫の山と砂地に変わる。

その中で唯一、このビルだけが残って人々の住む最後の砦となる。

湧碕達はこの先の未来で、此処に暮らしているのだ。

「あの、静嵐。此処に用があったんですか?」

「調べたい事がある」

「そうなんですか……。でもオフィスビルですから、関係者以外が中に入るのは難しそうですね」

警備員が立つ正面の入り口を見ながら、霄瓊が考え込む。

静嵐はそれを横目にビルの裏手に回り込むように移動し、大人の背より少し高い位置にある窓を見付けた。

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