深海の心.15


静嵐は息を吐くと言った。

「……とにかく、行くぞ」

「はい、そうですね」

頷いた霄瓊が、考え込むように額に手を当てる。

「でもあの窓、結構高いですよね。背伸びをすれば、何とか……」

明らかに無理だと思っている静嵐が見る中で、霄瓊は真面目な顔で背伸びをしたり飛び跳ねたりし始めた。

しかし、その手はどう考えても窓に届きそうもない。

静嵐は再び息を吐き、表情を変えずに霄瓊の体に手を当てて持ち上げた。

「わっ、静嵐!?」

「まだ届かないか」

淡々と尋ねられて、霄瓊が慌てて答える。

「いえ、届きます!充分に」

まるで子供が親に高い高いをされているような格好は、仮にも年頃の娘としては恥ずかしい。

だが、今はそんな事を考えている場合ではない。

霄瓊は急いで細く開いていた窓に手を掛けて大きく開き、体を潜り込ませた。

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