深海の心.17


大きく揺らぎながらも、その真ん中は限りなく静。

どちらかの区別が付かない、はっきりと誰のものか分かる気配。

「静嵐?何か気になる事が?」

その気配がゆらりと動いて話し掛けて来る。

静嵐は不思議な気配の持ち主である霄瓊を黙ったまま見返した。

これはこの娘が刻印を持っている為か。

しかしかつて契約した女達は、こんな気配を纏っていただろうか。

思い出そうとした所で、今まで特に興味も無かったから覚えていないのだが。

「……あの?」

じっと見詰められて、霄瓊が首を傾げる。

その仕草が妙に子供らしく見えて、静嵐は視線を外した。

こんな小娘がどうだろうと自分には関係無い。

考えるだけ馬鹿馬鹿しい。

そう結論付けて、足を動かしながら再び人の居場所を探り出す。

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