深海の心.18


しかし付いて来る独特の気配のせいで集中出来ない。

どうした事か、顔を見るだけで不快になる少女の持つものだというのに、気配はそうでもない。

それどころか、むしろ。

「此処には初めて来たんですけど、未来ではよく知っていますから親しみを感じますね」

つい先程まで犯罪がどうと言っていたのに、霄瓊は楽しそうにそんな事を話しながら歩いている。

「ところで静嵐が調べたい所というのは、もしかして……」

廊下を曲がろうとして、静嵐ははっとして立ち止まった。

人が近付いて来る。

こんなに近くまで来ていて気付けなかったのは、全て。

「静嵐?」

この娘の訳の分からない気配に気を散らされたからだ。

本当に腹が立つ。

静嵐は怒りを隠そうともせずに、霄瓊の口を後ろから乱暴に手で塞いだ。

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