兆し.03


霄瓊は、今日最後のバイト先である黒曜の古本屋で本の整理をしていた。

今日は夜が明ける前から夜まで、喫茶店とこの古本屋の他にもレストランのウエイトレスやビラ配りのバイトがあったので、さすがに少し疲れを感じる。

けれどそんな事よりも、もっと気に掛かる事がある。

「霄瓊さん、クリスマスの御予定は?」

突然話し掛けられて振り向くと、いつの間にか後ろに黒曜が立っていた。

「もうそんな時期なんですよねえ。本当、時が経つのは速いものです」

窓の外に煌めく灯りを眺めてしみじみと言う黒曜に、霄瓊は笑顔で答える。

「特に用事はありません。いつも通り来れると思います」

「いえ、そういう意味ではなくて」

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