兆し.08


無意識に自分の左腕を押さえた時、不意に静嵐が立ち止まった。

どうしたのかと訊く前に、覚えのある感覚に気付く。

「また綻びが出来ているようですね。こちらの方向でしょうか」

そう言って指で示すと、静嵐が珍しく驚いた顔をした。

「……分かるのか?」

「え?ええ、何となくですけど。きっと静嵐と契約しているからですね」

「今まで分かった奴はいなかったが」

静嵐の言葉と視線に慌てたように、霄瓊は付け足す。

「そうですか?じゃあ、もう何度も綻びを綴じるお手伝いをして来たからですよ」

「そういうものか」

「はい。あそこから流れ込む空気は、やはり異質で捻れていますから」

それから霄瓊は、感動したように静嵐を見上げた。

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