兆し.08
無意識に自分の左腕を押さえた時、不意に静嵐が立ち止まった。
どうしたのかと訊く前に、覚えのある感覚に気付く。
「また綻びが出来ているようですね。こちらの方向でしょうか」
そう言って指で示すと、静嵐が珍しく驚いた顔をした。
「……分かるのか?」
「え?ええ、何となくですけど。きっと静嵐と契約しているからですね」
「今まで分かった奴はいなかったが」
静嵐の言葉と視線に慌てたように、霄瓊は付け足す。
「そうですか?じゃあ、もう何度も綻びを綴じるお手伝いをして来たからですよ」
「そういうものか」
「はい。あそこから流れ込む空気は、やはり異質で捻れていますから」
それから霄瓊は、感動したように静嵐を見上げた。
- 96 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet