兆し.09
「……何だ」
「いえ、静嵐とこんなに会話が続いたのは初めてでしたので」
「…………」
「本当に無口ですよね、静嵐は」
霄瓊が微笑んで言いながら歩き出す。
その口調に何処か違和感を覚えて、静嵐は少女の後ろ姿を見詰めた。
妙に打ち解けたような言葉と、無邪気な微笑。
それに抱く感情が、不快ではなく。
「どうかしましたか?生き物が入って来る前に閉じてしまいましょう」
振り向いた霄瓊に促されて、そちらに向かう。
奇妙な感覚は消えない。
- 97 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
表紙へ
ページ:
Reservoir Amulet