兆し.09


「……何だ」

「いえ、静嵐とこんなに会話が続いたのは初めてでしたので」

「…………」

「本当に無口ですよね、静嵐は」

霄瓊が微笑んで言いながら歩き出す。

その口調に何処か違和感を覚えて、静嵐は少女の後ろ姿を見詰めた。

妙に打ち解けたような言葉と、無邪気な微笑。

それに抱く感情が、不快ではなく。

「どうかしましたか?生き物が入って来る前に閉じてしまいましょう」

振り向いた霄瓊に促されて、そちらに向かう。

奇妙な感覚は消えない。

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