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その日の授業を終え、世莉は靴を履き替えて校門に向かった。

朝に別れたきり、あの少年とは会っていない。

また会えるかどうかも分からない。

それでも無意識に捜してしまう自分に、世莉は戸惑いを感じた。

たった数分の出会いが、どうしてこんなに胸に迫るのだろう。

その時世莉は捜していた姿を見付けて足を止めた。

「……あ」

赤い夕日の中で一人の少年が門の柱に寄りかかって立っている。

彼は世莉に気付くと優しく微笑んだ。

「世莉ちゃん」

「あ、はい。学校はどうでしたか?」

「楽しかったよ。今朝は有り難う」

「いえ」

朝のように並んで歩きながら、世莉はふと思う。

(あれ、どうして私の名前を知っているの?)

朝に名乗った覚えは無い。

(初めて、会ったのに……)

隣の少年を見上げると、その横顔には何処か寂しげな微笑が浮かんでいた。

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