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影は二人の後ろに黒く長く伸び、夕焼けの赤は益々濃くなる。

「あのね、ボク、世莉ちゃんに伝えたい事があって来たんだ」

不意に沈黙を破って少年が言った。

「有り難う、一番弱いボクをいつも選んでくれて。ボクの為に泣いてくれて。嬉しかったんだ、とても」

世莉の家の前まで来て立ち止まる。

「知らなかったよね?いつもボクがキミに救われていたって事。もしも君がボクを忘れても、ボクはキミを忘れないよ。ずっと」

世莉に向けられた笑顔は何処か切なく懐かしく、胸が締め付けられる。

「有り難う、世莉ちゃん」

少年はそう言うと手を振って走り去って行った。

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