07
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
急ブレーキの音と、目の前に迫るトラック。
ぶつかる、そう思って目を閉じた時シキの声を聞いた気がした。
(あれ……?)
痛みの代わりに誰かに抱きかかえられているような温もりを感じて目を開けると、世莉の体は風に包まれていた。
トラックは世莉に当たる前に風によって止まっている。
暖かな、優しい風。
(この力……!)
風による防御。
この力は。
その風はやがてゆっくりと収まり、同時に外のざわめきも耳に入ってくる。
世莉は集まって来る人々の間をすり抜けて走り出した。
辺りは既に夕焼けの赤から夕暮れの紫に変わっている。
- 19 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet