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不意に、暖かな風がふわっと世莉を包み込んだ。

「全く、泣きむしだなあ……」

「え……」

声が聞こえて顔を上げると、シキが微笑んで世莉を見ていた。

「シキさん……?」

「ゲームの中の仲間が、魔術師さんに少しずつ力を渡して少しだけ時間を伸ばしてもらったんだよ」

シキが手を伸ばして世莉の涙を拭う。

その手は温かく、微笑む瞳も暖かい。

「……っ」

世莉は思わずシキの胸に顔をうずめた。

シキもその肩に手を回して、震える背中をそっと撫でる。

「もう何処にも行かないよ。有り難う、世莉ちゃん」

説明書が風でめくれ、登場人物全員が載っているページが見えた。

シキは涙を浮かべた瞳で微笑み、心の中で仲間に語り掛けた。

(有り難う、みんな……)

皆はまるで、二人を祝福するように微笑んでいた。





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