05


俺は今、玲歌が歓んでくれる程笑えているだろうか。

あんなにも信じていた温もりを無くした時から。

もう二度と笑う事など出来ないと思った。

病院で冷たくなった白い手を握った時、どうしてこれが俺ではないのかと。

俺だったら良かった、代わりになれたら良かった。

玲歌が生きて、笑っていてくれるならそれ以外望む事なんて無いのに。

「音楽って不思議ですね。私、幸希さんの曲を聴くと、もう少し自分を頑張ろうかなって思えるんです」

そう言った羽衣の方を見る。

「生きている歓びを、自分を生きる事の歓びを、探せるってきっと見付けられるって思えるんです」

「そう、か……?そりゃあ、良かった」

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